サロベツはアイヌ語が語源になっています。
「サル・オ・ペッ」
「湿原の多いところ」「アシの多いところ」「湿原を川が流れるところ」
などの意味を持ちます。
そして、ペンケ沼・パンケ沼をつなぐように
サロベツ川・オンネベツ川・東オンネベツ川・パンケオンネベツ川が
湿原をはうように流れています。
これらの川はサロベツ川と合流し、一級河川「天塩川」に流れ込みます。
天塩川は日本で4番目に長い川。
河口である、天塩町に入ると、干潮の時は 逆流するほど、海との標高差はありません。
原野部分の標高も1〜10mと低く、海の高さと変わりがありません。
そのため、昔は大雨や、雪解け水で川が氾濫し住民を困らせたそうです。
アシが生育するに適した土地となり、寒い気候も手伝い、泥炭層の土地になりました。
しかし、1960年代からは、農地開発が行なわれ、湿原は牧草地に変わっていきました。
低い標高のため、パンケ沼やサロベツ川には、海水が流れ込み、しじみの生息しやすい環境となりました。
また、1年間に1mmしかできあがらないといわれる、泥炭層では、貴重な植物が生育できる環境になりました。
最近は笹の進入、土地の乾燥化によって、湿原が減少してきています。
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